昨年の夏季休暇、大学にアカデミックコンテストというものがあることを知った私は、休みの1週間を使い、ここ数年の間、どこかで構想していた訴えを半ばぶつけたかたちで書き上げて提出した。そうしたところ、この度ありがたいことに純文学部門において優秀賞…
〈これまでの概要〉 本学の地域創生学部のH先生とD先生の両氏は、3.11の震災以降、復興支援活動として塩釜市桂島へ月に2回、学生を連れて島へフィールドワークに訪れてきた。島民のヒアリング調査でのニーズの把握からはじまり、地域学習の要素と絡めながら…
取り組みの背景 はじめに結論を言ってしまうと、私は先史時代人の石器製作段階での加熱処理技術がチャート製の石材においても行われていたのではないかと考えている。 チャートとは、化学的にはほとんどシリカ(SiO2)からなり、鉱物学的には微細な石英の…
講師:鈴木希帆さん 新宿区立漱石山房記念館(学芸員) 専門:日本美術史。主に、考古遺物が日本美術通史の中でどのような経緯で語られるようになったのか。 江戸時代後期滝沢馬琴などの好事家たちの間で、文政7年(1824)5月から翌年11月まで、毎月開催されてい…
著者安斎は「理論考古学とは、これまでの思考の枠組みに縛られない、まったく"新しい考古学"創造の可能性を探るための、考古学における〈理論と実践の関係〉についての理論的考察である"。」という。 理論考古学の画期となったのは、1960〜70年代のアメリカ…
本会のテーマである「理論と実践」、主に旧石器研究に対する理論の不在を主張するものであったが、土やモノを見るセンス、個別的な遺跡研究こそが重要であると指摘する阿子島氏の言葉には、遺物から離れて思想や哲学へ浮遊し始めた最近の私の姿勢には重く受…